実験地区13
瓦屋根
狂気太郎
生活保護制度が廃止され、働けない人間は政府管轄の「実験地区」に送られる社会。
「実験地区」とは、隔離区域内に特別な環境や制度をつくり、その中で人間がどの程度適応できるかを探る場所だ。
「自給自足経済地区」「サイバーコミュニティ地区」などもあるが「無治療疫病地区」や「戦争地区」といった極めて非人道的な実験を目的とする地区もあった。
突然の事故で両親を亡くした久世明人は、高校二年の若さで第十三実験地区に入ることに。
そこは、最低限の公共サービスと生活費は支給されるものの、地区内に警察ほか公的機関が存在しない、文字通り「無法地区」だった。
それを証明するように久世の入所初日から人が死んでゆく。まるで命の価値などないかのように…。
果たして久世は生き残ることが出来るのか?そして彼が目にする実験地区の「真実」とは……?